抜けた乳歯が自分を救う?!

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日本では、子供の歯(乳歯)が抜けたとき、無事に次の歯が生えてきますように・・と願いをこめて、上の歯は床下に、下の歯は屋根に放り投げる風習がありますね。海外では、枕の下に抜けた乳歯を置いておくと、妖精がやってきて、翌朝コインやおもちゃに変えてくれる・・・そんな微笑ましい風習もあります。子供の成長を願う親の気持ちは世界共通です。

さて、こうしてお役御免となり、捨てられる運命の乳歯が、「将来の自分を救うかもしれない」としたら・・・?!

 

最近よく耳にする「再生医療」。
人間には自分で治す力(修復・再生能力)が備わっています。
病気や事故で失われた臓器や組織を、自分自身の幹細胞を使って、
形や機能を再生させようという、最先端の医療技術が「再生医療」です。

 

病気や怪我で体が傷つくと、幹細胞が修復再生のために働きかけます。
ちょっとした擦り傷や切り傷が自然に治るのは、この幹細胞のおかげです。

そこで、いま注目されているのが、歯髄細胞(歯の神経)にある幹細胞です。
歯髄細胞にある良質な幹細胞が、理想的な再生医療の材料になることがわかったのです!

 

幹細胞を採取する方法で一般的なのは、骨髄細胞(骨髄バンク)や臍帯血(臍帯血バンク)がありますが、
骨髄細胞から採取するには身体に大きな負担がかかりますし、臍帯血は出産時しか採取する機会がありません。
それに比べて捨ててしまう乳歯や親知らずの歯髄細胞から採取すれば身体への負担は軽く、採取できる機会も多いというメリットもあります。

このような歯髄細胞を使った再生医療は、「神経疾患」「血管再生」「骨再生」などに有効であるとされ、
今後3~5年の間には神経再生を中心に実用化が進むといわれています。

 

歯髄細胞を使った再生医療は、安全性が高く有効な先端医療として、世界的に技術開発が進んでいて、
アメリカ、韓国、インド、台湾など諸外国でも「歯髄細胞バンク」が普及しています。

  骨髄 臍帯血 歯髄
採取の機会 骨髄移植時 出産時 乳歯生えかわり
治療による抜歯
身体への負担 大きい(麻酔が必要) なし なし
細胞増殖 高い 研究段階 きわめて高い
主な治療 血液のガン・その他 血液のガン・脳性小児麻痺・その他 脳梗塞・血管障害・虫歯など治療範囲が広い
備考 他人の細胞なので拒絶反応を起す恐れがある 今後の利用拡大が期待される 世界中で「歯髄細胞バンク」が普及している

(参考・引用)株式会社再生医療推進機構(ACTE)http://www.acte-group.com/

 

ちなみに、歯髄細胞や骨髄細胞の中の幹細胞は若いときほど多く、加齢とともに減っていきます。
再生医療のためには、乳歯は10歳以下、永久歯(親知らずなど)は30歳以下の歯髄細胞から採取するのが最適といわれています。
これからは、抜けた乳歯は屋根に投げたり、妖精に委ねたりしないで(笑)、「歯髄細胞バンクに保存する」のが世界の常識になるかもしれませんね!

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