「食事はひと口30回を目安に噛みましょう」とよく言いますが、普段ご自分が何回くらい咀嚼しているか、実際に数えたことはありますか?
先日、ふと思いついて数えてみたところ、私の場合、ひと口の咀嚼回数は15回~多くても25回くらいでした。思いのほか少なくてビックリ!そこで、意識的に30回以上噛んでみると、ほとんどの食べ物は原形がなくなり、容易に飲み込めるようになりました。
咀嚼回数を調べたデータによると、弥生時代は1食の咀嚼回数が3,990回だったのに対し、やわらかい食品が主流の現代ではわずか620回ほど(弥生時代の6分の1程度)。咀嚼時間も、たったの11分と短いんですね。
弥生時代 | 鎌倉時代 | 20世紀初頭 | 現代 | |
1食あたりの咀嚼回数 | 3,990回 | 2,654回 | 1,420回 | 620回 |
1食あたりの咀嚼時間 | 51分 | 29分 | 22分 | 11分 |
「よく噛む」ことは、食べ物を体に取り込む働きだけでなく、全身の健康づくりにつながっているんだそうです。
その役割を標語にしたものが「ひ・み・こ・の・は・が・い~ぜ(日本咀嚼学会)」です。
ひ:肥満を防止
よく噛むと満腹中枢が刺激され、食べ過ぎが防げます。
み:味覚の発達
ゆっくり味わうことにより、食べ物の味がよくわかります。
こ:言葉の発音がハッキリ
口の周りの筋肉を使うことにより、言葉の発声や表情が豊かになります。
の:脳の発達
脳の血流が増え、記憶や学習能力の向上につながります。
は:歯の病気を予防
唾液がたくさん出ることで病原菌などが洗浄され、歯周病や口臭を防ぎます。
が:ガンの予防
唾液の中にあるペルオキシダーゼという酵素が、ガンの発生を抑えるといわれています。
い:胃腸の働きを促進
消化酵素がたくさん出て消化を助けます。
ぜ:全身の体力向上
歯を食いしばることで力がわき、噛み締める力を育てることで集中力を養います。
普段、噛む回数が少ない方が「ひと口30回」に近づけるのは、容易じゃないかもしれません。長年の習慣を変えるには、まず意識することから!少しでもゆったりした気分になれる夕飯から試してみるといいかもしれません。
また、テレビを見ながらの「ながら食い」も食事を味わうことや、噛む事を意識しない原因になりますので、時には食事をとる姿勢にも気をつけたいですね。
私も「肥満防止」のため、ちょっと意識してみることに・・・。スリムになったら、またご報告しますね(笑)